ハワイ島ヒロからのアロハ便り
- 第15回 ヒロの歴史的な劇場、パレス・シアターへようこそ!(2008年10月15日)
- 第14回 ヒロのB級グルメ・レポート第一弾!(2008年10月01日)
- 第13回 ヒロでがんばる地元若手ミュージシャン!!(2008年09月09日)
- 第12回 ヒロの若者が集う人気SHOP!(2008年08月21日)
- 第11回 夏休みだ!ハワイ島ヒロで家族と一緒に遊ぼう特集!(2008年07月25日)
- 第10回 KTAでロコがお勧め商品をご紹介します!(2008年07月18日)
- 第9回 ヒロのローカル・スーパーマーケットKTA(2008年07月01日)
- 第8回 メイド・イン・ヒロ!Hawaiian Ti Shirt 手染め工場訪問インタビュー(2008年06月16日)
- 第7回 超キュートなロコ・フラ・ガール・インタビューブランディー・セリカク(2008年05月06日)
- 第6回 ハラウ・オ・ケクヒのダンサー ミョンジャ・ファー(2008年04月16日)
- 第4,5回 ビールスペシャル!ヒロの地ビール、メハナ・ビール工場訪問(2008年04月01日)
- 第3回 ヒロ・チャイニーズ・ニューイヤー・フェスティバル・実況レポート!(2008年02月28日)
- 第2回 ヒロの「ダウンタウン新店舗情報!」(2008年02月05日)
- 第1回 ヒロのファーマーズ・マーケット(2008年01月15日)
第16回 2008年11月20日号
-ワークショップ体験談!-
11月を迎えて大分朝晩冷え込むようになったハワイ島ヒロからアローハ!皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、もう既に2週間も経過してしまったのが嘘のようですが、先々週、ハワイ島の西側のワイコロア・リゾートに行って来ました。
なぜかというと、リゾート敷地内に新しくできたクイーンズ・ガーデンズ・ワイコロア・ボールで、今年第3回目となる2008年モク・オ・キアヴェ・インターナショナル・フェスティバルが開催されていたからなんです!
11月5日のオープニング・ナイトも含めると5日間のフェスティバル期間中、ハワイ文化を勉強することができる体験型のワークショップが11月7日と8日の2日間開講されました。
全8クラスのワークショップの内容は、フラはもちろん、ラウハラ編みや、竹から作る伝統楽器の工作のクラス、更にはフリへエ宮殿やカヴァイハエなど特定の土地へ行き学ぶといった、普段私達が知ることのできない貴重な知識を体得するクラスが提供されました。
私も今回はワークショップの通訳、という立場からクム・フラ、チャールス・カウプ氏(参照:クム・フラ・インタビュー#3)の「レイ作りのワークショップ」に参加し、体験レポートをお届けすることになりました。どうぞご拝読くださいませ♪
カロパ州立公園へいざ!

空を見上げると大きな青空と雲が見えた
ハワイ島でのリゾートはやはりこれでしょ!といわんばかりに晴れ渡った青い空が一面に広がった朝8時半、ワイコロア・ビーチ・マリオット・リゾート&スパ・ホテルのロビーに、ワークショップ参加者、そして関係者が集合しました!
クム・チャールスのお手伝いで急きょ参加することになったアシスタントの2名、プラス参加された生徒さんたち17名、プラス筆者が2台の大型送迎用ワゴン車に乗り込みさあ出発!絶好のお天気に恵まれ、ちょっとした遠足気分。
そんなうきうき気分も、クムの「さ、これからチャントを暗記して~!」という一言で一気に遠足モードからお勉強モードに切り替え!クムの意向でハワイの伝統にのっとり、口承にてチャントを暗唱する、ということがワイコロアから車で45分程の距離にあるカロパ州立公園までの道程の間ずっと行われました。
口承、ということで、書くことやメモすることは禁止!頼るものは自分の記憶&暗記力だけ。ヒエ~!年と共に覚える、という行為がどんどん低下しているというのに、クムからの酷な宣告に私は一人で冷や汗をかきました!
途中、トイレ&コーヒー・ブレークの為ワイメアで15分ほどの休憩をしましたが、それ以外は個人の暗記力を試されるかなり厳しい「密室」でのチャントの勉強。でもさすが、フラを勉強されている参加者の皆様は、6行ほどで構成されているハワイ語のチャントを与えられた時間内にほぼ(?)暗記されていらっしゃいました!
私は…、というと最初の2行くらいまではけっこう自信あったのですが、その後は…??? いや~、参加された皆様の記憶力に脱帽です!
チャントの意味と意図

参加者全員が心一つになり
神々にチャントを捧げた
クム・チャールスが今回、私達に口承して下さったのは、「エ・ラカ・エ」、というチャント。これはラカ、というフラの女神を称え、敬意を表したチャントです。このチャントはカロパ州立公園に到着し、原始林の中に入る前の儀礼として詠唱したチャントでした。
今回のレイ作りは伝統的なフラの踊りの際に着用される、「レイ・ポオ(頭用のレイ)」と呼ばれているレイです。
伝統的なレイ・ポオを作るには、女神ラカの宿る植物を採集することが基本とされています。ハワイでは全てのものに生命が宿っている、と信じられていることから、神聖なる植物を採集する際は、プロトコール=儀礼として「ご挨拶」または「お断り」のチャントを詠唱します。そして採集が終了した際にも「お礼」のチャントを詠唱します。

原始林の大自然が
感じられる瞬間

クムの言葉に真剣に聞き入る
参加者の皆さん
要するに、それは自然を提供してくださる神々に対し敬意を表す、ということであり、ハワイの人々にとって大変重要なことなのです。その行為を怠ること、それは分かりやすく例えて言うならば、他人の庭に来て勝手にそこに生えている花や葉っぱを摘んでいく、という行為と同じことになります。
なので、先ずきちんとご挨拶をし、終了したら御礼を言う、いわばシンプル且つ常識的な行為が大切なのです。
何においても自然に感謝をする、という現在の日常からは忘れ去られがちな事柄を、今回のワークショップで再認識させていただきました!
カロパの原森林にて

ラカの化身である神聖な植物がたくさん
集まったオヒアの大木
その伝統様式にのっとり、カロパに到着した私達は早速駐車場近くにそびえ立つ大きなオヒア・レフアの木の前に立ち、習いたて、そして覚えたてのチャントを詠唱しました。

神の化身、キノラウの一つ
であるパラパライ
森の神々に私達の気持ちが伝わったでしょうか?クム・チャールスは、きちんとプロトコールを守った行動を取ると自然からなんらかの御印、お返しのサインがある、と仰っていました。確かにチャントを終了したころから、強い風に雲が押され、たくさん移動していく様子が見られました。きっとそれが私達への自然からのメッセージだったんですね♪
さて、原森林に入る前に、クムから今回採集する「パラパライ(しだの種類)」についての説明がありました。パラパライは女神ラカの化身の一つである、とされている植物です。
採集するには;

一列になって森の中へ入って行く
1.成長過程が終了しているものを選ぶ(新芽などを間違って選ばないようにする)
2.色が一定のものを選ぶ(深い緑色のものは成長しきっている証拠)
3.ある一定の大きさのものを選ぶ(レイを作るときに均一の出来上がりになるよう)
4.茎の下の部分を捻って採集するようにする(引っ張ると根っこごと取れてしまい、そうすると再生されない)
5.採集するのは50センチほどの長さで合計20本ほど
6.森の中では迷子にならないように気をつける(よく夢中になって採集していると、自分が何処にいるか分からなくなってしまうことがあるので!)
以上の注意事項がありました。説明の後、いよいよ原森林にレッツッラゴー!

森の中での採集は
小グループになって行われた

楽しいお昼ご飯の休憩は
和気あいあいと
森へ入ると、ありましたありました、しだの密集している場所が!各自、注意事項を念頭に、採集が開始。ところどころ、土が掘り返されているところがありましたが、それはイノシシがやってきた跡なのだそうです。イノシシの「落し物」などもあり、やはり原始林という環境柄、「野生」を体感することができました~!
その後約30分ほどしてから、公園のピニック・テーブルの有る所に集合し、いよいよレイ作りの始まり…でもその前に、お腹が空いては戦はできぬ、ということでランチタイムです♪
森の中でレイを作る

採集した後の下準備も重要な作業だ
しっかりと腹ごしらえをした後は、早速レイ作りに専念。しかしこれが以外に難しいのです!クムや、助っ人で来てくれたレイ作りのマスター、ナエア・ナエオリ氏などの手つきを見ていると、そんな複雑なようには見えないのですが、いやはや、これがかなり大変。
三つ編みの原理を利用した編み方で、主体となる部分を採取したパラパライで編み、それに適度な形にトリミングしたパラパライの先の部分を付け加えていく。ただそれだけの繰り返しなのですが、コツを掴むまでが難しい。
「できません!ということはありませんよ~!」、というクム・チャールスの優しいような、厳しいような助言に励まされ、皆様なんとか各々の作品を完成!とっても素敵なレイ・ポオが出来上がりました。出来上がった作品は水で一度簡単に洗い流し、レイの内側を表にして巻いてビニール袋に入れて保管。日曜日のホイケのときまで冷蔵庫で保管するように、とのことでした。
左:達人の指導に真剣に見入る生徒さん中央:クムからのチェックが入る。ダメなときはやり直しです
右:あともう少しで完成!
フラ・マイを奉納

森へ捧げる甦生の踊り、フラ・マイ
そして、ワークショップも終盤にかかり、森へ感謝と甦生の念を込めた「フラ・マイ」を習います。
「フラ・マイ」というのは伝統的に祖先繁栄を祈った踊りであり、今回の場合はカロパの森が提供してくれた草花が、又多く咲き乱れるように、との祈りを込めた踊りです。この踊りは、このカロパの土地へ捧げることを目的に教えていただきました。
踊りの振り付けのお手伝いをしてくれたのは、ハラウ・オ・ケクヒのオラパ・クラス(プロ・レベル)のダンサー二人、ケハウ(女性)とウルアウマヒ(男性)(余談ですが、ウルアウマヒは、若きハワイアン・シンガー・ソングライターとして現在最も注目を浴びている、カウマカイヴァ・カナカオレの実弟なんですよ~)。
彼等の指導の下、クム・チャールスがチャントし、全員で森への感謝の気持ちを込めて踊りを奉納し、無事にカロパでのワークショップは終了!一同ワイコロアへの帰途へとなりました。
最終仕上げのホイケ・ナイト!

ワークショップはこのホイケをもって幕を閉じる
ワークショップが終了しても、その総仕上げとして毎年行われるのは、ホイケ・ナイトでのワークショップ・クラスのパフォーマンスです。ホイケ、とはハワイ語で、「見せる」とか「公開する」、といった意味合いのある言葉です。
ここでは、ワークショップで学んだ踊りやチャントなどを見せるいわば発表会のようなことを意味し、各クラスの参加者が先生と共に、その成果を披露するわけです。
残念ながら、参加者の皆様の日程が合わず、カロパ・ワークショップからは3名の生徒さんたちだけのホイケとなりました。自作のレイ・ポオを舞台で披露された姿を、私は舞台袖から拝見させていただきましたが、舞台上の3名の存在は人数は少なくとも、大変凛々しくカロパの一日を集約するに相応しい仕上がりだった、とせん越ながらそう思いました!
ご参加された皆々様、大変お疲れ様でした!!
又来年もモク・オ・キアヴェ・インターナショナル・フェスティバルをお楽しみに!
※今回のように州立公園などの公共の場所で植物の採集をする際には、ハワイ州の自然保護課へ植物採集許可書を申請する必要がありますのでご注意ください。
