ホーム > クム・フラインタビュー第1回「ナラニ・カナカオレ」
クム・フラインタビュー第1回
クムフラインタビュー
ナラニ・カナカオレ Nalani Kanaka’ole
ハラウ・オ・ケクヒ クム・フラ
イーデス・カナカオレ財団 アーティスティック・ダイレクター
母は高名なクム・フラ 故イーデス・カナカオレ。ハワイ島ヒロで7代にわたる「ハラウ・オ・ケクヒ」のクム・フラ。競技会への参加はせず、伝統のフラ・カヒコとハワイ文化継承に力を注いでいる。
- Q1.ハラウに日本人を受け入れることは可能ですか?
- 基本的には可能です。ハラウ・オ・ケクヒでは約束事として最低5年間はハラウで学ばなければなりません。真面目にハワイ文化を学ぼうとしている人、その間当地に居られる人が条件となります。実際、5年以上勉強を続けている生徒達の中には日本人もいます。本格的にハワイ文化を学びたい人向けです。当ハラウで伝授している踊りもある意味で特殊なスタイルです。ハラウに残る生徒達はそれを学びたくて入団してきたと言えるかも知れません。
- Q2.カヒコを踊るための体力作りや指導方法を教えてください。
- 私たちのハラウでは体力がないと踊れません。初級クラスから基本として教える踊りの準備体操は、6ヶ月間続ければ40分間の振付けの踊りが踊れる内容になっています。唯一の例外として、一昨年前メキシコ・シティー公演の時に具体的なトレーニングを行ったことがあります。渡航する前から肺活量を増やすためメキシコ・シティーの標高を意識した運動をヒロ周辺の高地で行ったのです。実際現地に着いてから、そのトレーニングが効果的で役立ったことがわかり、やって良かったと思います。踊る時に肉体的な体力に気を取られることなく、より崇高な意識を持ちながら踊ることができるからです。審美眼のある踊りを踊ることが大切ですからね。 私が踊っていた頃は30分の内容の踊りを踊るための基礎運動を1時間行っていました。 当時は母と祖母が踊りを教えていましたが、マッサージのできるクプナ(年配の人)を呼んで稽古の後に足などを揉んでもらっていました。今ではそのようなハードな稽古は行いませんが、生徒の股関節を柔らかくするために股の筋肉を足で押し揉むことは常にやっています。
- Q3.カヒコを学ぶ者として聖地を訪れる場合、どんな準備や心構えが必要ですか?
- 聖地など、ある特定の目的を持った場所を訪れる場合は、まず基本的にそこへ訪れることの許可や指標を得るためのチャントを唱えます。例えば、ハワイ島にある聖地ホオナウナウを訪れる場合、特定のチャントがあるのでそれを唱えます。カヒコの場合はチャントの意味を具体的に体得していくことが大切です。
更に個人的に重要な要素だと感じていることはハワイの文化というものは基本的にポリネシアの人々の移住文化から成っている、すなわちカヌー文化から成っているということを気付かされることです。カヌーを漕ぐ場合、漕ぎ手の重荷になる場合はカヌーから降ろされます。エネルギーの統率、そしてチームワークを組むことが航海を成功さえせる鍵であったのです。フラを始めハワイ文化には多分にそのカヌー航海の規約が軸となって象(かたど)られています。カヌー文化やその思考方法を理解することは大変重要であると考えます。 
- Q4.フラを学ぶ上で訪れるべき場所はありますか?
- フラを学ぶ上でレイを作ることは大切な作業の一つとされています。レイに必要な植物を採集する場所があります。自分が摘む植物のいる場所とその周りの環境などを把握するということは訪れる場所ということにおいて必須かも知れません。当ハラウの生徒達は採集し使用した植物は使い終わった後もとの場所に戻すことを個人的にも文化的な観点からも行っています。例えば、火山地帯から採集した植物はハレマウマウ火口にお参りし戻すといったことですね。随所随所でその状況に適切であることが何なのかを考えるようにすることが大切だと思います。
- Q5.ハワイの文化継承のために今後どのようなことが必要だとお考えですか?
- 私が生徒達に教えるのは「祖先の記憶」を呼び起こせるということです。「祖先の記憶」とは一体何か?それは潜在意識に蓄えられる先祖からの情報です。誰でも経験のあるデジャブもしくは正夢は正に「祖先の記憶」が働いた証拠であり、潜在意識にあった情報を意識が汲み取ったということなのです。私の祖母は子供の頃に夢の中で踊りを教わったそうです。これは遠く離れた場所にいた先生が祖母の「祖先の記憶」の中に現れ「夢」という形態の中で踊りを教えたわけです。アンクル・ジョージ(ハワイ州から人間国宝と認知されているクムフラ メリーモナークの創立者)も同じような方法で踊りを伝授されたのですよ。但し、このような現象を可能にするには、それを受け入れる器を用意しなければなりません。潜在意識からのメッセージを自己がキャッチできるように開け放つこと、まるで真っ白なキャンバスのように。そして開け放ったことで入ってくる「祖先の記憶」をキャンバスに描き、その意味を理解し取り入れることが出来なければなりません。生徒達には「祖先の記憶」からのメッセージを無視することなく、伝えられたことを理解し、受け止めること、受け止める器になることを日常の課題として与えています。それは私が彼らの潜在意識を刺激し、それによって誘発された反応として浮かび出てくるあらゆる事柄をどのように自分が捉えることができるかなのです。それは時には難関な象徴もあるでしょうし、私が「祖先の記憶」を誘発させることが必要な時もあります。そのような際には私は彼らにとってのガイド的な存在となるのです。ハワイ文化の真髄や言語をある程度理解していないと解釈することができませんからね。私は今後ますますそのような文化継承のメソードも重要になると考えています。
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Photo by Reiko Yoshida

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第2回ハラウ・ナ・レイ・オ・カホロク クム・フラ ナニ・リム・ヤップ