ホーム > クム・フラインタビュー第5回「ケアラ・チン Keala Ching」
クム・フラインタビュー第5回
インタビュー第6回ケアラ・チン
ケアラ・チン Keala Ching
フラの儀式や言語等、ハワイに古くから伝わる知恵や文化を伝承するため、子どもから老人まで幅広く関われるよう設立された財団NWIO(ナヴァイ・イヴィ・オラ)の創始者。
- Q1.ハワイの文化を継承するためにどのようなことが必要とお考えですか?
- どの文化においても基本的に必要なのは言葉、ランゲージ、だと思います。ですから芸術のようにどの国の文化的なことも言語が基本であると思います。言葉が理解できなければ、フラを表現するにも理解するにも知識を得るのは難しいのではないかと思います。現在の日本のフラの生徒さんたちを観ていると、表現力はあっても理解力が足りない、と感じることがあります。それは私たちハワイの人間にとってもその言語の理解力が焦点となっていると思います。

- Q2.フラの儀式や作法についてもお話を伺わせてください。
- 言葉が分かるようになると、その言語を喋る人々の思考が理解できるようになります。そうするとその伝承されなければいけない儀式や作法の意図が分かるようになるので、様々な風習も理解できるようになってくるでしょう。風習といって指していることは、例えばロミロミ(*伝統的なマッサージ手法)、オへ・カパラ(*伝統的な竹印の工芸)などのことです。つまり、儀式や作法に尽いても、言葉が理解できるということは、その文化を理解することに繋がります。それは儀式や作法に関して基本的に何が正しくて何が間違っているのか、ということも分かるようになるのです。それはネイティブではない人がある文化を一番良い方法でどこまで深く入る込むことができるか、ということにもなりますね。

- Q3.それでは言葉の修得ということ以外にこれからフラを始めようとしている方へのアドバイスをお願いします。
- どの文化にも精神面があります。そしてそれは(*胸を指して)ここ、ハートによるのです。それは自身の奥深いところに埋め込まれていることで、一体自分は誰なのか、オープンな考え方を持つことができているか、ということです。自由な発想を持ち他の文化を受け入れることができると、自分の文化と他の文化は平衡して同じ考えを持っていることが理解できます。それができると尊敬の念を持ってその文化に接することができるようになります。それはよりよいプラクティショナー(専門家)になれる、ということをも意味します。自分がオープンになることによりフラやその文化をもっと理解できるようになります。それは自分が誰かということを知る上で分かってくることなのです。

- Q4.ハワイで一番好きな場所はどこですか? 理由も教えてください。
- ケアウホウですね。本当に平和的な気持ちに包まれます。とにかく美しい場所ですね。ハワイの歴史を感じながら現在にいるという体験ができるので好きなのです。まるでタイムマシーンに乗ってタイムスリップしたような気持ちですね。例えば今ならヘイアウ(ハワイの聖地であるお寺)が復元されている最中なので、どのようにしてヘイアウが建てられたのかを見ることができます。

日本に行ったときもそうですが、私はお寺や神社に行くのが好きです。大変清々しい平静な気持ちになります。ヘイアウに行くのもそれと同じ気分が味わえるからなのです。何よりも自分が生き返った気持ちになりますね。それらの場所を訪れるときの自分の意図は、神聖なものと関わり自分を蘇生させること。リラックスしたいときは海に行きますし、森に囲まれたいときは森に行く。そしてなによりメレに感じたことを書き記したいということです。20年後にその場の記録や気持ちを読むことができるように! - Q5.ハワイを訪れた全ての人になにを見て、聴いて、感じて欲しいですか?
- 何を目的にハワイを訪れるのか、を明確にすることが大切だと思います。例えばハワイ島でどこを観るべきかとよく聞かれます。キラウエア火山を見てきなさい、と云う人もいるし、海に行きなさいと言う人もいる。でもそれらの場所に行っても何をしていいのか、そこで何を自分が感じるべきなのかが分からなければ行っただけ、見ただけで終わってしまう。要するに自分が心を開放して何かを感じたいという謙虚な心があれば、どこに行ってもその意図は受け入れられ、感じるべくものを得ることができるはずです。分かりやすく云うと、ペレのエネルギーを感じたいのであればキラウエアに行く、ポリアフのエネルギーを感じたければマウナケアに行く、という様なことです。ハワイの各地は目的を持って訪れることが大切なのです。

この間私の生徒をキラウエアに連れて行ったときのことです。それまではヴォッグ(*火山から噴出される噴煙による霞)で一杯だったところが私たちが儀式を始めるとそこのヴォッグが晴れました。そして儀式が終わると雨が降り始めた。素直な気持ちでいるとこのような自然現象から美しいメッセージを受け取ることができますよ。でも必ず目を開けていてくださいね。目を瞑っていては自然からのメッセージを見逃してしまうので目を開いて静かに観察してくださいね! - Q6.ハワイには何かを伝えるメッセージがあると思われますか?
- ハワイを訪れることにより自国のことを理解できるようになるのであれば是非来て欲しいと思っています。自分のことを理解し、自分の環境を理解することができれば、自国の山や海を理解することができます。全ては心の在りようだと思っています。それに誰しもがハワイに行きたいときに行ける訳ではありませんし、ハワイがスピリチュアルな動きの中心地であるからここに来なければいけない、ということもありません。自分の心の中の居場所を見つければいいのです。そのようなお手伝いを私はしたいと思っています。どこにいても毎日自分を再生することのできる居場所を創るお手伝いですね。

- Q7.クムの教えはどのようなスタイルですか?
- 私は先ず誰にでも3~4歳の子供に教えるように教えます。自信が付くまでは手取り足取り教えるのです。誰もが最初から物事を分かっているわけではありません。キラウエア火山に行って、突然「ではやってみなさい」と言われても何をやっていいのか戸惑いますよね。それと同じことです。ですから生徒達には「安心して学びなさい」、独り立ちできるまで私はここに居ますよ、ということを言っています。
それから学ぶ上で大切なことは先ず「エンジョイ」すること。フラとはヒーリング、ヒーリングとは癒されること、楽しいこと、ですからフラを踊っても楽しくないのであればそれは違うことだと思います。 - Q8.では最後の質問ですが、キンテツ・インターナショナル・ハワイのやっている活動に尽いてどう思われますか?
- モク・オ・キアヴェ・インターナショナル・フェスティバルを通じてキンテツの行っているさまざまな活動に尽いてより深く知ることができました。日本で行われる予選大会や、ハワイ島コナで行われる本大会、共にハワイの文化や芸術をサポートし、追求する、という姿勢が素晴らしい。それに、「ナ・ホク・ハノハノ賞」(*ハワイのグラミー賞と言われている音楽賞)等のハワイ地元の活動も支えていらっしゃいますよね。そのように日本だけではなく、ハワイのコミュニティーに貢献しているだけでなくギブ・バック(戻す)されているところが素晴らしいと思います。
本日はお忙しいところお時間を頂きありがとうございました。
Mahalo nui loa kumu!